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最強のコンビ

人種差別がテーマの笑って泣ける感動ヒューマンドラマ『グリーンブック』

人種差別がテーマの笑って泣ける感動ヒューマンドラマ『グリーンブック』

黒人差別ってよくわかんない。黒人差別を扱う映画は他にもあるけど、なんかストーリーが重たそうだから今まで見てこなかった。そんな人にオススメなのがこの映画! 1960年代、人種差別が色濃く残るアメリカ南部を舞台に実話に基づく2人の主人公による物語です。日本人には馴染みのない黒人差別ですが、この映画を観た後にはきっと深く考えさせられるでしょう。しかし、コメディ的な要素もあったり、ユーモア溢れる見事な伏線回収もあったりと、笑いあり涙ありの感動ヒューマンドラマで見ていて疲れません!

ガサツで無教養だが、周りから愛されていたトニー

イタリア系白人である一人目の主人公トニー・リップ。
腕っぷしの強さと得意のハッタリを使いこなしナイトクラブの用心棒をしていたが、お店の閉店により職を失ってしまいます。家賃や生活費を稼ぐために時計を質屋に入れたり、ホットドック早食いなどをしてギリギリの生活をしていました。しかしずっとそんな生活をしているわけにもいかず、愛すべき妻と息子を養うために職を探していました。

家族や友達を大事にしていて周りからも好かれていたトニー。しかし最初は黒人に対して差別的な思想を持っていました。

才能溢れた天才黒人ピアニスト、ドク

もう一人の主人公である天才黒人ピアニストのドン・シャーリー。
誰もが認めるピアノの才能を持っており、白人の富裕層などから圧倒的な人気がありました。上品で教養もあり、黒人でありながら温室育ちをしてきた登場人物です。

今回ある目的のために黒人差別の文化が根強く残る南部でのコンサートをすることになりました。2ヶ月間のツアーに出かけるためそこでドクは運転手兼付き人を募集します。

トニーはある黒人ピアニストが運転手を雇おうとしているという情報を聞き、ドクの家に面接に行きます。
妻や子供を置いて2ヶ月間南部に行くことや、差別意識のあった黒人の運転手ということもあり、一度はオファーを断ったトニーでしたが、給料がいいので、家族の生活費を稼ぐためにこの仕事を受け入れることにしました。

犬猿の仲?!真反対な二人

冷静と感情的、上品と無教養、裕福と貧乏、黒人と白人。
性格、生い立ちなど全てが真反対とも言える2人であったため、最初はお互いのことが理解できずに衝突も多々ありました。しかし、互いにない部分を認め合い、ふたりの友情は次第に強くなっていきます。だんだん二人の絆が強くなっていく中で、僕が好きなシーンがあるので紹介します。

まずは手紙のシーンです。トニーは遠く離れた妻のために旅の途中で手紙を書いていたのですが、文章力も貧しく、スペルすらも正しく書けないので、読んでいられないような手紙の内容でした。そこで教養のあるドクがトニーに変わってロマンチックな手紙を書いていきます。トニーはドクのレクチャーを受けていくうちに文章力が向上していき、最初は嫌々書いていた手紙も書くのが楽しくなっていました。

一方トニーはドクにフライドチキンの食べ方を教えます。ドクは今までずっとファストフードのような低俗なものを口にしてこなかったのでドクの誘いに何度も断りますが、最終的にはトニーの押しに負けて初めてフライドチキンを口にします。
トニーがチキンの骨を車の窓から投げ捨てるのを見て、ドクもそれを真似して骨を放り投げるシーンではおもわず笑ってしまいました。

ちなみに、フライドチキンは黒人奴隷のソウルフードのようです。この映画では白人が黒人にフライドチキンを教えるというあべこべな描写になっていて、映画を観る前にこの知識があったらその時にこの監督の意図したブラックジョークに気づけたのかもしれません。


黒人差別に立ち向かうドクとトニー

黒人差別の文化が根強く残っている南部では、ドクは案の定どこへいっても黒人差別を受けてしまいます。人々から求められるのはドクが弾くピアノの音色だけであって、ドク自身に対しては黒人としてぞんざいな扱いをします。トイレをするにも黒人専用の屋外にある犬小屋のようなトイレに行くよう促されたり、仕立て屋に行くと試着を断られたりします。

最初は黒人差別の思想を持っていたトニーでしたが、黒人の運転手兼付き人をやって激しい黒人差別を目の当たりにしていく中で、黒人差別をする者に対して反論したり、カッとなって手を出したりするなど、次第に考え方が変わっていきます。
ふたりはどこへいっての黒人差別に悪戦苦闘しますが、最後のシーンでスカッとするある事件が起きます。気になる方はぜひ映画をご覧ください!

華麗な伏線回収

『グリーンブック』は実話に基づいた黒人差別を描いた映画ですが、クスッと笑える要素もいくつかあります。上記で少しだけ紹介したチキンの骨を投げ捨てる描写だったり、ちょっとしたオチ要素があったりと、監督の遊び心が見受けられるシーンも用意されています。
特に秀逸だったのは伏線回収です!この物語には人種差別という大きなメインテーマが進んでいく中でいくつか小テーマのようなものが散りばめられていて、映画のラストシーンが終わりほっとしたところで全て拾っていくので、そういうことか!と最後の最後まで楽しませてくれます。

というわけで『グリーンブック』いかがだったでしょうか?黒人差別というテーマをリアルに描きつつ、クスッと笑えるコメディの要素も詰め込んだ映画はこの作品しかないのでしょうか。
是非みなさんもこの素敵な映画を堪能してみてください。