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THEそこそこの映画

ビール片手に気楽に見よう『タッカーとデイル 史上最悪にツイてない奴ら』

ビール片手に気楽に見よう『タッカーとデイル 史上最悪にツイてない奴ら』

THEそこそこの映画。もちろん褒め言葉です。最初から言いますが予想以上の事が起きることも逆に期待を裏切ることもないそこそこの映画です。ビール片手にほろ酔いでも理解できるわかりやすさが魅力。 近年流行のミュージカル映画や「衝撃のラスト30分」な映画、ゴリゴリな人間ドラマなんかに疲れた方にはぜひオススメな「タッカーとデイル 史上最悪にツイてない奴ら」の魅力について、書いていこうと思います。

フってフってフリまくる!恐怖を期待させる前半パート

【あらすじ】
とても仲がいい中年男のタッカー(アラン・テュディック)とデイル(タイラー・ラビーン)は、手に入れたばかりの別荘で休暇を過ごすため森へやって来る。
しかし、同じころに近所にキャンプに来た大学生グループから、森の奥深くに住む殺人鬼と勘違いされてしまう。
さらに、二人が川でおぼれかけていた女子大生のアリソン(カトリーナ・ボウデン)を救出したことが誤解を招き、思いもよらぬ事態へと発展していく。
(以上、シネマトゥデイより)

前半は、ホラー映画のテンプレートのような内容。
浮かれる大学生、キャンプ、不気味な中年、ドライブスルー、鎌…。
ホラー映画特有のフってフってフリまくる定番演出で、大学生目線で恐怖を煽ります。

が、この映画はタッカーとデイル目線でも物語を見せてくれます。
大学生目線では殺人鬼に見える二人ですが、実際はただの別荘を買っただけの気のいいおじさん。
もしかしたら13日の金曜日もジェイソン目線で物語を描いたら、ただの勘違いなのかもしません。
イチャイチャしたカップルから殺すのもただの僻みかもしれませんね。

そんな感じで大学生からしたら殺人鬼、タッカーとデイル目線で見るとただのアクシデントという展開があらぬ方向へ進みます。

死んで死んで死にまくる!うっかりスプラッター

川で溺れた女子大生のアリソンを二人が助け、家に連れて行き介抱したのをきっかけに、タッカーとデイルと大学生の闘いが始まります。
ここからの展開はしばらくエグい展開が続きます。
血ブシャー、頭パーン、体グリグリグリーッとグロいです。
ただ基本的にはタッカーとデイルは何もしてなく、バカな大学生がうっかり死んで行きます。
もうバカすぎて同情もしないですし、むしろざまあみろと思うぐらい。
こんなにスカッとする残酷なシーンは、この映画だけでしょう。
巻き込まれた保安官には同情します。

魅力的なヒロイン!アリソン役のカトリーナ・ボウデン

ヒロインのアリソン役のカトリーナ・ボウデン。
正直、惚れます。笑顔がめちゃめちゃ可愛いのです。
川で泳ぐために脱ぐシーンなんて、テレビの前で「もっと!もっと!」と思う男性は多いはずです。
殺伐とした場面でもチラリと見えるおへそがセクシーです。

タッカーとデイルの最初の理解者でもあり、大学生と二人の和解をセッティングする、内面も最高なヒロインであります。
そんなアリソンを大学生たちは病気扱いしてしまいます。
なんて大学生なんだ。ファック。

狂っていく大学生!本当に怖いのは普通の人

タッカーとディルを殺人鬼と勘違いしているとはいえ、そもそも悪いのは大学生のチャドです。
助けを呼ぼうとする友達の携帯を叩き割り、大学生たちをどんどん悪い方向へ導きます。
「お前なんなんだよ」と見てる人たちは思うはず。

二人の愛犬を人質にしたり、タッカーを誘拐したり、ガソリンを撒いたりとやることは狂っています。
でも実は意外な過去があり、それが結末に繋がる狂う伏線になっています。

素朴な田舎人!愛すべきタッカーとデイル

そんなチャドとは違い、私たちはタッカーとデイルの素朴な魅力に心奪われることでしょう。
彼らも運が悪いのかいいのかわからないですが、お茶目な彼らにどんどん愛着が湧いて来ます。
特にデイルの不器用さも魅力のひとつ。
アリソンを看病したり、一緒にゲームするデイルたちを見てると、なんだが心が暖まります。
外では大学生がたくさん死んでるんですけどね。
そんなデイルも、タッカーが負傷したり、アリソンを守るために成長していきます。
スパイダーマンやキックアスようなヒーローの成長としても見れます。

過度な期待は厳禁!だけど素朴さが愛しくなる

ここまで魅力について書いて見ましたが基本的にはバカホラーコメディ映画です。
人が次々とグロく死んでいきますので、血とか内蔵が苦手な人は見たくないでしょう。
でも、それを上回るコメディ感があるので、苦手な人も見れると個人的には思います。
「嘘でしょ?」というくらい簡単に死んでいきます。
どんどん人が死んで笑える映画も珍しいですよ。
苦手な人も最後まで見ると、もっとたくさん死んでくれないかなと思う事でしょう。

また、オススメして言うのもおかしいですが、過度な期待は厳禁です。
最初に言ったュージカル映画や「衝撃のラスト30分」な映画、ゴリゴリな人間ドラマというのは、ラーメンで例えると自家製麺を使い、ダシをじっくり取って、ブランド肉なんかのチャーシューを使い、1杯1000円以上するようなラーメンだと思います。
この「タッカーとデイル 史上最悪にツイてない奴ら」という映画は、ファミリーレストランのそこそこのラーメン。
どこか懐かしくそこそこなのにまた食べたくなってしまう、それこそタッカーとデイルのような素朴なラーメンです。
まあ好みは人それぞれですが、こういう映画もいいと思います。

最後に、ホラーファンイベントで、主演のタイラー・ラビーンとアラン・テュディックで、プロデューサー陣が続編を製作をしたいと考えていると明かしています。
主演の二人も「クソみたいな続編には絶対にしない」とファンに言っています。
ただこれは2014年の話です。その後の続報は特にありません。
大学生も行方不明になっていることですし、タッカーとデイルがまた勘違いされてつぎつぎと人が死んでいくのを見て笑える日を、そこそこ楽しみにしています。