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アクション映画としての完成度も実はマーベル映画史上トップ

『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』が描こうとした世界とは?

『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』が描こうとした世界とは?

今回は、「マーベル映画史上、最も政治的な作品なのではないか?」と言われている『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』について色々と考えていきたいと思います!マーベル映画はとかくド派手なエンタメ映画として語られがちですが、この『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』は他のマーベル映画と比較してもちょっと毛色が違う作品に仕上がっていて、裏のテーマとして今のアメリカ、引いては世界の在りようを描こうとした映画とも言えるでしょう。

アベンジャーズが2つに分かれる!?

『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』は基本、キャプテン・アメリカアイアンマンの理念、思想の対立が主軸になって物語が展開していきます。

正義の元での戦いだったとはいえ、ソコヴィアを壊滅状態に追い込んでしまったアベンジャーズ。そのアベンジャーズに国際社会が突きつけてきたのはアベンジャーズを国連の管理下に置くという監視体制の強要でした。

多くの人命が失われたことに自責の念を感じ、そのトラウマに悩まされていたアイアンマンは、それを受け入れようとします。
一方、何よりも自由に行動する権利とそれに伴う責任を重んじるキャプテン・アメリカは断固、この強要を拒否しようとします。

結果、その彼らの決断により、アベンジャーズが2つに分かれて争うことになるのですが、更にそこに男の友情、アイアンマンの過去のある事件の悪夢などが絡み合い、最後の最後まで目の離せないスーパーヒーロー同士の乱戦が続いていきます。

結局のところ、この2人の対立は何を表象しているのか?

まずキャプテン・アメリカについては、多くの人が今は埃を被ってしまったかのように感じている、「理想としてアメリカ」のメタファーとして描かれています。
もう少し具体的に言うと、何よりも自由を重んじる独立精神が輝いていた国、あらゆる人種の共存を理想に掲げていた国、誰しもがアメリカンドリームを信じることが出来た国、アメリカのことです。

それに対してアイアンマンの方は、今世界を牛耳っているいわゆる「多国籍企業」のメタファーとして描かれています。

つまりこの『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』という作品は、現在の世界の本当の強者・多国籍企業に、かつてのアメリカの理想を問いただすという構造になっているわけです。

加えてこの作品が突出しているのは、古きアメリカの理念が悪しき多国籍企業を打ち負かすという、単純なファンタジーになっていないところなんですね。
物語自体は感情移入しやすいように分かりやすく作られてはいますが、単純にグローバル=悪という風にも描かれていませんし、世界の警察=アメリカとしての態度に、最後の最後でさりげなく疑問を投げかけているところなんて演出としても見事だと思います。

冒頭アクションシーンのありえないほどの見事さ

この手のアクション映画は最初のアクションシーンを見れば、大体の出来が判断出来ます。
基本、マーベル映画はどれもアクションのレベルが高いのですが、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』はその中でも突出していると言えるでしょう。
時系列的には前作とも言える『エイジ・オブ・ウルトロン』も冒頭のアクションシーンはかなりのものでした。
でも『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』ではそれを軽く超える冒頭アクションシーンが堪能出来てしまいます。

最初の作戦に参加するメンバーを映像的に紹介した後は、それこそ畳み掛けるような連続アクションシーンが続くのですが、その見せ方が見事なんですよね。
キャプテン・アメリカの唐突な乱入から、ファルコンのジャブ、そしてスカーレット・ウィッチのサポート、そして最後にブラック・ウィドウがバイクで乗り込んでくる所まで、本当に繋ぎが上手い。
途切れさせないでアクションを繋げるというのはとても難しいんですけど、こんな上手い繋ぎを映画冒頭の前菜に持ってきてしまうなん…作品のテンション維持によほどの自信がないと出来ません。

もちろん一番のハイライトは飛行場でのチーム格闘戦

冒頭アクションシーン以降はなだらかな物語展開が続くのですが、この作品のハイライトシーンは作品中盤をちょっと過ぎた辺りに用意されています。
今まで色々なアクションシーンを見てきましたが、この飛行場でのチーム格闘戦以上に複雑に入り組んだアクションシーンはちょっと見たことがないですね。

冒頭のアクションシーンだって4人がうまく絡み合っていたというのに、ここではなんとその倍以上の人数が絡み合います。
このシーンが成功しているのは体の大きさを自由に変えられるアントマンと、動きに独特のグルーブ感があるスパイダーマンを参戦させたことだと思います。この2人が全体の戦いに上手く絡むことによって、パワーもしくは超能力のぶつかり合いになりがちな戦闘シーンにある種の軽妙さが加味され、ありえないほど自由な戦闘シーンに。

マーベル映画がやろうとしていることは昨今のゲームに対抗出来るアクションシーンを、ということだと思うのですが、このシーンなんて完璧にそれに成功していると言えると思います。

そんなマーベル映画の最新作、『アベンジャーズ/エンドゲーム』がついに4月26日から公開。
もちろん本作にもキャプテン・アメリカが登場。
『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』を見てテンション上げて、劇場に行きましょう!